Drop Piece
「ほあー、すごいね!このスケジュールっ!!」
「だから、心臓に悪いことはヤメロ」
マネージャーに送ってもらう車内は俺のスケジュールの話でもちきりになっていた。
「まじ、眠いわ。な、琉。5分で起こしてくんね?」
「ん」
目を瞑ろうとするが、なかなか寝付けない。
「……くっそ、疲れすぎて寝れねぇ」
「ねーねー、壱流?」
ちょん、と俺の肩をつつく利央に仕方なく視線をむける。
「んだよ」
「これ来週のだよねぇ?」
「ん」
「多分、これに歌番組とかプラスされてくると思うよ?」
「………」
嘘だ、と言ってくれ。
「なーなー、壱流」
「うるせえ、黙れ、ヘタレ」
「ひどすぎる!…じゃなくて!携帯、鳴ってんぞ」
ち、と舌打ちをし操作ボタンを押す。
「……はい」
『あ、いちる?』
「……何」
馬鹿の声が電話の向こうから聞こえてきて、何故かイラつきが少しおさまる。
たまには役に立つんだな。あいつも。
『や、大変そうだったし!大丈夫かなー、って思って』