Drop Piece
「どうにかしろよ、お前」
『む…むちゃくちゃ!』
なんでだか、寝るよりも疲れが取れるそんな気がして、心臓あたりがむず痒くなる。
「意味……わかんねえ」
『へ?』
「あー、もう、うっせ。黙れ」
隣で琉が意味深な笑顔で俺を見ているので、居心地が悪い。
「お前、何してんの。撮影ねえじゃん」
『あ、秋山さんに呼び出されて!』
「ああ、NG多すぎて」
『え!?そうなの!?』
知らねえよ。
琉がつんつん、と俺の肩をつつく。
「あ?」
「俺も……はなす」
「え!ずるいよ!俺も話したい!」
琉に便乗して利央も話したい、とわめきだす。乗り遅れた晴はその周りでそわそわと動いていた。
『おー、みんないるんだあっ!!』
「はい、じゃ、さよなら」
『ええっ!代わってよ!』
ぜってぇ、やだ。
騒いでる琉たちに向け、舌をだしボタンを押す。
「あー!!壱流のばかあっ!」
「独占キング…」
「独占欲かーっ?どくせ……」
─ガフ…ッ!
「いってえ!!なんで俺だけ!?」
うっせ、黙ってろ。ばーか。
さっきよりも軽くなった身体を再び座席に沈めた。