Drop Piece
「もう、クタクタだよー……」
「あっそ」
「お疲れ!とかあともう少し!とかの優しい言葉をくださらないんですか!!」
「俺に優しさ求めるとか百万年早ぇよ、ばーか」
「え!あたし、そんなに生きてらんないよ!!」
一生ねえよ、って意味だっつーの。
雑誌、4社。収録、5本。
今は束の間の休憩でこの後の夕方のニュースで一応ジャックは終わる。
そうしたら、その二時間後にはドラマが流れる。
「お前、なんで秋山のおっさんの誘い受けなかったんだよ?」
つーか、よく断れたな。あの脅迫じみた誘い。
「あー、皆で初回見よう!!ってやつ?用事があるからね……。ごめんね?」
「ま、静かになるしな」
「ちょ、傷付くからぁぁぁあ」
また、用事かよ。
……別に気になる訳じゃねえけど。
不機嫌に机の水に手を伸ばし、口を潤す。
すると、ずっと何かを聞いていたのかミュージックプレーヤーのイヤホンを耳から外し、馬鹿が妙なことを言った。
「いちる、2オクターブ上のラだしてっ!」