Drop Piece
あいつ、今…なんて。
『壱流のバカ!!』
今までだって、名前を呼び捨てだったのに。何でだか、前とは違う、気がした。
顔を手で覆い隠し、壁に寄り掛かる。
「……ただの馬鹿羊のくせに」
“いちる”が“壱流”に変わっただけなのに。たった…それだけなのに。
「壱流ー、こんなとこに居た…ってどうした?顔が赤…ぶはっ」
急に入ってきたマネージャーの菊をどつく。
「うっせ」
こんなの、気のせいだ。
「SHIZUKA?」
撮影を終えた俺は晴翔たちが待つ事務所へと向かうため、迎えに来た菊の車に乗り込んだ。
「壱流、たしか、そのデザイナーのブランド好きだろ?そこが、今度日本のブランドとコラボしたらしくてイメージキャラクターにShiNeが選ばれた、ってわけ」
資料を見ながら、説明を受ける。
…やべえ、すっげえ嬉しいんだけど。