Drop Piece
光は泣き疲れたのか、すぐに眠りに落ちた。
俺は上半身だけ起こして、頭を撫でてやった。
こいつ、記事はどうでもよかったって言ってたよな?てことは、あれデマなのか?
あの記事が嘘なのか、本当なのかは分からない…けど、たとえ本当だったとしても光に対する俺の態度とか、変わんねえから関係ねえし。
「寝てる女の頭撫でるなんて、今までの女たちにもしたことねえんだけど」
軽く今の自分が気持ち悪くて、光の頬を指で突いた。
「ん…う」
身を捩らせ、声をだす光に、また何故か心が揺れた。
「……慣れねえことしたから、疲れたのか」
俺も光の横に寝転がって、目を軽く閉じる。
隣に感じる温もりが何だかくすぐったい。
「……あ」
光のマネージャーに連絡入れといた方が良い、と考え、ベッドから出ようとしたら。
「…まじかよ」
光の腕が俺の腰に絡んでて動けない。
「つーか…この状況どう説明すんだよ」
光は隣でぐっすり寝ています?おかしいだろ。
「付き合ってる…わけじゃねえし」
自分で言ったことなのに、何だか苛つく。
もう、いい。寝よう。
今日、俺、不調っぽいし。寝よう。
そう言い聞かせて、俺も隣に温もりを感じながら眠りについた。