Drop Piece
「いーな…ライブとか楽しそうだよね」
「めっちゃ楽しい」
そう言って、無邪気に笑う壱流が珍しくて、その横顔に見惚れる。
「…んな、見てんじゃねえよ」
「あ、ごめ…」
まあ、次の瞬間にはいつもの仏頂面ですけれども。はい。
楽屋に備えてあるお菓子をもしゃもしゃ食べていたら、壱流に鬱陶しそうな顔をされた。
「お前さ、自分の楽屋戻れよ」
「ひとりは寂しいじゃん」
「B2の楽屋ならいっぱいいんだろ」
「壱流がいいんですー」
意地悪だし、人をパシるし、悪態つくし、鉄拳飛ばすし…………あれ、あたし何で壱流の楽屋来てるんだっけ。
「ばっ…かじゃね?」
顔をふいっと背けて、またプリントに目をおとしてしまった。
口を尖らせてたら、壱流の携帯がぶるぶる震えて、着信を知らせる。
「壱流ー、電話ー」
「誰」
……ご自分で確認していただきたいんですけど。
「あ、晴翔」
「出ろ」
その横暴さ、清々しいほどですね!!というか、こんなシチュエーション前もありましたよね!!