Drop Piece
最後のラジオ局ではもう魂抜けた状態のあたし。
あたしに…休みというものは……ないんでしょうか。
でもラジオのイスに座るとテンションが上がってきた。
「よしっ!!いっちょ行きますか!高崎光の……っ“ひかラジ”っ」
そんなタイトルコールを聞いて、吹き出す人が数人いたけど気にしない!だってまだタイトル決めてなかったんだもん!
「えーっと本日のゲストは…」
「あ、みかんゼリー」
「へ!?」
目の前にいるのはさっき改心させてやる、と決意した四人の一人。
「え、ちょ、ふ…えあ?」
「これ、みかんがやってたんだ」
あの……っみかんって誰!?
百面相をしてたのかくすり、と笑われる。
「え、ゲストって…」
「んー?俺じゃないよ」
じゃぁ、なんでここにいるの!?と心のなかで叫んだ。
「今日はゲストがいない回なんだってさ、スタッフの人が言ってたよ」
あたし、それ聞いてない!
「だからたまたま見かけたから、乱入してみた」
ぽかん、と口を開いてるあたしを見てまた笑い、マイクを奪われた。
「ということで今日は高崎光と仙堂琉飛で話します」
じゃ、始めようよと言い、普通にイスに座る仙堂琉飛…くん。
「みかん、もう収録始まってるから早く」
未だに頭のなかが整理できてないけど。
「…じゃぁ、一曲目は……」
琉飛くんがさごそとバックを漁って一枚のCDをだした。
「みかんのうた、流…」
「ダメ!」
やんなきゃ、いけないみたい。