Drop Piece
「壱流!?」
「うっせ、ばーか、だまれ」
こんな感情、爆弾でしかない。いつ爆発するか分からない。
「…なんか、今日、でも無事に終わって良かったね。あとで副作用の処置もちゃんとするからね!!」
ただ、ただ…この腕の中の存在がこの感情が何かをまざまざとしめしてくる。
「なんか、…今度は客席から見たいなーって思っちゃった」
「…見してやるよ」
光に会った瞬間から抱え始めたであろうこの爆弾を。
「ほんとに?やったー!!うちわとか振ってみたいー!!」
こいつをいとも簡単に点火して見せる。
こんな、こんな感情初めてに近くて、どう扱ったらいいかも分からない。けれど、今までこいつに感じてきたものたちがパチリと合わさって、俺のなかでぽうっと色付いた。
そして、確信する。
「…くっそ、……お前ほんと責任とれ」
「ええ!?」
ああ、これが好き、ということなんだ、と。
次の日の朝のニュースで光が勝手に歌ったのがバレて、光がたくさんの人たちに怒られたのはまた別の話。