Drop Piece



いくら聞いても壱流は教えてくれなくて、なんだかもやーっとしたまま撮影に入ってしまった。


役のまま、微笑む壱流はいつもの壱流とはやっぱり違和感があるけど、その笑顔の端々に壱流の優しさだとかそうゆうのが感じられて、なんだか訳もなく嬉しくなってしまう。


前よりも壱流の笑顔が見れるようになって、というより、笑顔を見せてくれるような位置を許してもらえたような気がして、それがただただ嬉しい。



「あ、松井さーん!再来週の水曜日ってあたし、暇ー?」

「え、再来週の水曜日?その日は…」

「なんか、壱流に空けとけって言われて」

「あら…そうなの。その日はね、空いてるわよ、1日OFFよ」


なんだか、松井さん、にやにやしてる…?



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