Drop Piece
「あたし、どうしたらいいのかな?」
今のままじゃ離れてく一方だよ。
どうやったら距離が埋まるかな。
「キレたのはあたしなんだけどね…」
先にキレたあたしが言える事じゃないけど。
「あたし何したらいいと思う?」
こんなこと琉飛に聞いたって琉飛が困るだけなのに。
俯くとまたいきなり急接近してきた。
「りゅ…っ」
そして、頭を撫でてくれた。
「……そのまんまでいいよ」
目を見開く。
「みかんはみかんのまんまでいいよ。絶対大丈夫」
「でも…このままじゃ…みんなと話しても言い合いになっちゃうし…」
「壱流と言い合えるだけすごいと思うよ、俺」
壱流、あんま初対面のヒトにキレたりはしないから。と言って吹き出した。
き…キレられたあたしはなんなんだろう…。
「多分壱流が今一番びっくりしてるよ?みかんに」
よくわからなくて首を傾げる。
「あんなにキレられたの俺ら初めてだもん」
再びあたしの頭をぐしゃぐしゃにし始めた。
「きっとみかんなら何か変えてくれそうって思ってると思うよ。みんな」
だってみかんだもん、と付け足す琉飛の言葉で力が抜けた。
「このまんまで…いいかな?」と自信なさげに言うあたしとは正反対にうん、と勢い良く琉飛は頷いてくれた。