Drop Piece
スタジオに着き、一番最初に思ったのが一人で来なくてよかった。
「おはよー!なぁなぁ利央知らね?携帯つなが…」
「うっせ」
琉飛が口開かなきゃうざくないよ、とか無駄な慰めをしてるのを横目で見つつ利央に電話する。
『壱流?』
「…はよ、今からスタジオ来れねぇ?」
『れんしゅー?』
「あぁ」
すぐ行くねっ、とだけ告げられて電話を切る。
一息をつき荷物を置いて気付くとスタジオ内に流れてるメロディー。
まだ台本を貰ってない為ストーリーはわかんねぇけどしっとりとしたバラード調の曲になってた。
「この前のバラード、かなり人気だったみたいだね」
「ShiNeにしては珍しいもんなー」
晴翔がバラードも好きだけどな!とか盛り上がっていた。
耳を撫でるような曲調に思わず、歌詞を口ずさむ。
一番、歌を歌ってるときが気持ちいい。
「壱流、調子いいね」
「当たり前」
琉飛がくすり、と笑い一緒に口ずさみだす。
「やべぇ!俺ギターやりたくなってきた」
「じゃ、いれる?」
軽やかな高い声が響く。
「利央、おはよ!」
「晴、ギターいれる?」
利央がソファに腰掛け、晴翔に問い掛ける。
「いれてもいいのかよっ!?」
「いーんじゃない?」と答える利央に嬉しそうに笑う晴翔。
壱流っ!琉飛っ!と興奮して振り替える晴翔を見て思わず、笑いが漏れる。
「俺、別にいいよ」
「あと三時間弱で完成すんならな」