「もう、お見舞いに来なくていいから。」

「えッ・・・。」

「茉莉恵も大変でしょ?
学校もあるのに毎日毎日俺の見舞いなんて。」

「そんなことないッ!」

思わず言葉に力がこもる。

それでも大介君は淡々と話し続けた。

「いいよ、無理しなくて。」

「無理なんかしてない!」

涙声になる。

「正直言うと、迷惑なんだよねー。
茉莉恵がいる間ずっと気を使わなくちゃいけないし、
元気な人が傍にいると何て言うの?
気持ち的に落ち込むっていうか、俺も辛いんだよね。」

「・・・!」

気が付いたら病室を飛び出していた。
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