ピーナッツバターの唄 [ss]
 俺らは最後のライブを単独(ソロ)でやることにした。ミナミのちっさい会場は、なぜかいっぱいだった。

 あいつの前に歌っている、いや、歌えるのはRollyだけだと思われている。

 前ってなんだよ!

 俺はマイクを手に取った。隣のベースが鳴りたいとせがむ。「ピーナッツバターの唄」

 がむしゃらに歌った。心は唄にのって消えていった。死んでもいいと思った。まぶしい。拍手が耳元で聞こえた。

 みんな、満足だった。

 俺らはピーナッツバターの唄と共に記憶された。
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