青瓶奇譚


ぼくは夜の道を歩いていた



オリオンが



西の空に大きく輝く夜



細く美しい音楽が



ひらひらと聴こえていた



ぼくは耳をすませて



その音楽の方へ



歩いて行った



すると



とある一軒家の屋根の上に



ひとりの少女が座っている



少女はオカリナを吹いている



ぼくは



透き通るような少女と



透き通るようなオカリナの音色に



しばらく陶酔していた


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