青瓶奇譚


ぼくとかすみは



街の中



流れる川岸のベンチに座っていた



川の両岸はコンクリートで舗装されていて



雑草の生えてくるすき間などなく



少し離れた橋の上を



人や車が過ぎて行く



ビルの窓や看板の明かりを



ゆらゆらと反射する水の流れを見ていたら



隣に座るかすみが



「卒業したらどうするの?」



と聞いてきた



「近くの大学に行くよ」



とぼくは普通に答えた



かすみはどうするんだろう
< 60 / 82 >

この作品をシェア

pagetop