青瓶奇譚
憂歌翁
この青いボトルの中の
透き通る金色の液体は
今まで味わったことのないような
味だった
もちろんお酒の味などしなかった
それにぼくはお酒を飲まない
どこかで飲んだハーブティーのような
飲んだあと目を閉じて深呼吸をしたくなるような
そんな味で
甘みがあったけど
砂糖や果物のような甘みではなく
すこし酸味があったけど
柑橘類のような酸っぱさとは違う
不思議な味だった
もっとたくさんあればいいのに
と思ったけど
今日これを飲んだら
残りはあと1杯しかない
でもぼくは
先のことを考えるのは
やめようと思って
それを飲んだ