青瓶奇譚
好きという感情…
ぼくは大学に入り
ゆきとの付き合いは
ますます深くなって行った
ぼくはゆきのことが
好きだった
かもしれなかった
どういう感情が
好きということなのかわからなかった
それに
付き合うって何なんだ
と思っていた
ゆきがぼくのことを
好きなだけじゃないのかとさえ
思った
「好き」という言葉が
ぼくの中で
その意味の謎を増幅させた
でもぼくは
ゆき以外の女といることは
考えなかった