青瓶奇譚



かすみの夢を


ほぼ毎晩ぼくは見た


かすみはいつも決まって


悲しそうな顔をしていた


それでもぼくは


かすみと会えるのが


嬉しかった


眠るから夢を見るのではなく


夢を見るために寝るのだ


ぼくはそう考えるようになった



< 77 / 82 >

この作品をシェア

pagetop