流れ星のキセキ
ありきたりで、簡単なものだけど、遺書は書いた。

あとは、どうやって死ぬかだ。

私はお気に入りの場所で死ぬ方法を考えていた。

小高い丘の上にある大きな木の太い枝の上。そこが私の一番好きな場所。

「飛び降り……は血とか飛び散って後片付け大変だよね。睡眠薬……は死ねないらしいし、車に轢かれるのも相手に迷惑かけちゃうし……」

方法を思い付いては却下するということを繰り返していた。

「やっぱりリストカットが一番かな……」

いろいろ悩んだけど、やっと死ぬ方法を決定した。

ため息を吐いて空を見上げた。

「綺麗……」

空には幾千もの星が瞬いている。その美しさに涙が流れた。

「最後にこんな綺麗な景色が見れて良かった」

私は涙を拭い、木から下りるために立ち上がった。下りる前にもう一度夜空を見上げる。そこに一筋の光が流れた。

「あ、流れ星!……ッ!?」

突然のことで体が動かなかった。



足が滑った。

体が傾く。

支えられない。



落ちるッ!!



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