別れ道
正面から愛し合えていた。一緒にいる時間が足りなくて幾度もなく朝まで海や夜景を見ていたりした。

「どうして私だったの?」

どうして…閉ざしていた心の中にいつの間にか光になっていた。その光を見ようとする程に純粋になれた。ただ「好き」という事―

「私もだよ。出逢えてよかった」

なんだろうか…瞳を見ると吸い込まれそうになる。
どこか寂しそうな、だけど澄みきった瞳…

こんなに見つめ合ったのは初めてだった。

時間がどれだけなのかわからない。


どちらからともなく―

唇が重なりあいながら―
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