別れ道
迷-めい-
初めての口づけだった…
今さら後戻りがきかないと感じた。
愛し合えてたからこそ何も言わず求めあえた結果なのだから。

「言わないで、恥ずかしいよ」

あの日からキスの話をすると顔を真っ赤にして怒る。そんな姿さえ愛しくてたまらなかった。

「自分でもするとは思わなかったんだよ」

お互いに思っていた。

「でもね、初めて胸の音聞いた時みたいな安心感があったの」

「ホントに初めてづくしだね」

嬉しそうに微笑む。さっきは怒っていたのに…
そう思いながらも頭を撫で抱き寄せた。

「私達、こうなる為に出逢ったんだよね」

腕の中でそう呟く声はいつの間にか寝息に変わっていた。

ずっとこのままでいたい。もう何も苦しむ事なく笑っていたい。

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