大切なもの
…―火曜日の放課後。

「教室には入らないように、ではさようなら」

今日は大掃除があって机は廊下にだしてある。


勇気を出してもう一回、
言ってみな!!
美咲がそう言ってくれたから、

「純君!!」

私は勇気を出して呼んだよ。


「あっ。ちょっと待って、」

そういって
ワックスをかけたばっかりの教室の中に入っていった。

純君のそういう少し適当に何かをするところは
子供っぽくて好きだ。

そして、純君の大股の歩き方は
大人っぽくて好きだ。


こんな時にそんな事を
思っていると純君が戻ってきて


「はい。」

そういって紙を渡して何処かに行ってしまった。

私は急いで
「ありがとう」と言った。


私は有頂天!!


急いで美咲に報告しに行った。

昨日の疑問も、
悲しさも忘れてしまって………

< 19 / 100 >

この作品をシェア

pagetop