ザルエラ
彼と女の姿が脳裏に浮かんだ
(彼は・・・容姿の崩壊したあたしを愛してくれるのか・・・?)

体の変化が進めば、村以外の場所には住めなくなる
(あたしと子どもを愛し、村に定住してくれるのか・・・?)

爆音で鳴り響く音楽
あたしは手鏡を、思い切りオーディオに投げつけた

― 鈍い音がし、部屋の中が静かになる



(仕事も続かず、いいかげんで・・・

それでもあたしは・・・あなたを好きになってしまったの

この子の、たった一人の父親なの

失いたくないの)
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