ザルエラ
「おはよ・・・」

16時
彼がドアを開け、リビングに入ってきた

東京郊外の小さなアパート
元々、彼が1人で暮らしていた部屋にあたしが転がり込んだ
二人の小さなお城だ

「おはよう」
あたしは電気コンロのスイッチを切り、タイミングよく温まったカレーを、鍋ごとテーブルに置いた。
「いいにおいだね。今日はカレーか」
あくびをしながら彼が言う
ホストの見習いをしている、あたしより一つ年上の二十歳の彼

「圭介くん好きでしょ。・・・ほんとは作るの簡単だから、カレー率高いんだけど」
「あはは」
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