僕は先生を愛してます
・・ 満月の夜
誰にも言えないが、僕は先生から来た初めてのメールを保存した。
きっと、誰かに言えば
“気持ち悪い”とひかれるだろう。
僕は携帯の画面を見つめた。
来るはずのない連絡。
胸がキュンとせつなくなる。
その日、僕は携帯を片手に握り締めて眠った。
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鳥の鳴き声で目を覚ます。
時計を見ると午前7時。
学校に行く準備を急いでする。
「いってらっしゃいませ」
いつものミチさんの見送りで家を飛び出した。
学校に行く途中、携帯を広げ先生にメールを送った。
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松下先生
題名:おはよう
本文:
今、学校に向かってます。今日は数学がないから寂しいな先生に逢いに行きたいけど、明日会えるから我慢する
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僕ではないような文章だ。
だけど、僕以外誰でもない。
返事はきっとこないだろう。
わかっていたが、なにかで繋がっていたかった。