僕は先生を愛してます
僕は先生の手を握り、駆け出した。
「ちょっと・・っ、まだ?」
少し荒れた息づかいに混じる言葉。
「もう少しだよ」
僕は振り返り先生に言う。
「着いたっ」
そこは河原で静かに水が流れている。
「ハァハァ・・」
「先生、大丈夫?」
「久しぶりよ。こんなに走ったのっ・・」
「ごめんね。あっ!!先生、こっち来て」
「えっ?」
僕は先生をゆっくりと引っ張った。
「きれぇ~」
先生は大きな声で言った。
「シッ―!」
「なっ何?!」
「静かにしないとホタルが驚くだろ?」
「あっ・・」
先生は声を殺す。
ホタル・・そう。
何匹ものホタルで河原が輝いていた。
「きれいでしょ?」
僕は先生の手をぎゅっと握りしめて言った。