僕は先生を愛してます

僕は先生を見つめた。

だけど、先生は僕を見ない。


“私・・何をしたの?”

みたいな表情で俯いている。




携帯は鳴り続けている。


先生は鞄をあさり携帯を取り出した。


携帯の画面を見て少し、硬直した。


「取らないの?」


「・・」


「誰から?」


そんな言葉に返事はない。


「・・婚約者?」


―直感でわかった。


僕は先生の携帯を取り、画面を見た。

“隆史さん”

と表示されていた。


僕は躊躇わずに電話に出た。


「ちょっと・・・っ!!何してるのよ!!!」


先生は慌てて僕から携帯を取り上げようとした。


「もしもし」



僕は低い声で言葉を並べた。
< 133 / 227 >

この作品をシェア

pagetop