僕は先生を愛してます
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「坊ちゃま。朝ですよ」
いつもの時間にミチさんが部屋にきた。
昨日は一睡も出来なかった。
今頃になって睡魔が襲う。
「旦那様、坊ちゃまが返事しないんですよ」
「寝ているのか?おい、聖夜?」
少し大きな声で僕の名前を呼ぶ。
「・・はい・・」
眠たいながらも、父の言葉には返事しないわけにはいかない。
「また学校を休むのか?最近のお前はなんか変だぞ?悩み事でもあるのか?」
父は顔を近づかせ話す。
「大丈夫です。少し体調が悪いだけですよ」
「そうか・・。ならいいんだ・・。昨日も夜遅く帰ってきたみたいだが、怪しい事をしているわけじゃないんだろうな?」
「してませんよ」
太陽の光と眠たさに瞼が開かない。
「早く体調を治して勉強に励んでくれよ。あ、昨日のパーティーだったんだが、橘さんがお前に会いたがっていたよ。また、時間があいてる時にでも顔を見せてこい」
「わかりました・・」
小さく返した。
そして、誰もいなくなった。
僕は再び夢の中へ陥った。
そこは何もない、闇の世界だった。