僕は先生を愛してます
―次の日。
午前10時過ぎ。
「せーやぁ」
名前を呼ばれたのと同時に、背後から手が回る。
胸が背中に当たる。
振り向かなくてもわかった。
「七海、離れろよ」
僕の腰に回した七海の手を崩さす。
「もう~!昨日も学校に来てないし、パーティーにも来てくれないし。ねぇ、なんかあったの?」
「別に?ってかさ、親父さん元気にしてるの?」
昨日、父に言われたから一応、七海に聞いてみた。
「パパ?元気よ。でも聖夜がパーティーに来てくれなかったから、落ち込んでたよ。パパね、聖夜の事本当の息子のように思ってるから」
笑いながら言う。
「また逢いに行くよ」
「じゃぁ、あたしも一緒に行くー」
今度は真正面から抱きついてきた。
「あー、もう!離れろって」
七海を突き放そうと手をかけた時・・・
先生が通りかかった。
目が合った。
先生は僕と七海を見つめていた。
「聖夜?」
僕も先生を見つめた。
「おーい?聖夜君?どうしたのー?」
「えっ?あー・・。」
先生は背中を向けた。
「何見てたの?」
七海も僕の目線の方向に目を向ける。