僕は先生を愛してます
教室を見渡すと人影はなかった。
「もう少ししたら帰るよ」
「じゃぁ待ってるから一緒に帰ろう?」
「あー・・ごめん。俺、用事あるから」
嘘をついて断った。
女の子は残念そうな顔で教室から出て行った。
時計を見ると午後5時25分をさしていた。
「先生・・まだ居るのかな・・」
椅子から立ち上がり鞄を肩にかける。
「あー!もうっ」
僕はなぜか一人で焦り、教室を飛び出した。
・・数学教室って
こんなに長かった・・?
なんて思う。
階段を二段飛ばしで下り汗を流しながら駆ける。
今日も、愛してる・・。
―そう伝えよう。