僕は先生を愛してます


「あれっ?」


数学教室の前に誰かが立っている。


遠くだが、見えた。


「生徒か・・?」



・・ドクンッ―


胸騒ぎがした。

“あの時”と同じだ。




「お前こんなとこで何やってんだよ」


メガネをかけて背の低いニキビ顔の男子生徒に声をかけた。


「いっ・・いえ。僕は別に・・」


と、教室の前に立ちふさがり退こうとはしない。



「そこどけよ!?」


口調が悪くなる。


「だっ・・だめです」


「なんで?!」


「そっ・・それは・・っ・・」




―ガタンッ。


「・・・てっ」


教室の中から先生の声と物音が聞こえた。



一瞬で僕の脳裏に浮かんだ。



最悪の状態が―・・




僕は、ドアの前に立つ男を殴り倒した。



「だっ・・だめですっ・・」


男は倒れながらも叫んだ。


ガラガラっ―



僕は勢いよく扉を開け、奥へと走る。


「先生っ―!!」






そして、衝撃的なシーンが僕の瞳に飛び込んできた。
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