僕は先生を愛してます
・・ 極上の選択
―土曜日。
朝早くから携帯が鳴った。
また知らない番号。
この前、授業中にかかってきた番号と同じだった。
もしかしたら、知り合いかもしれないと思い電話に出た。
「はい・・?」
「幸村 聖夜さんですか?」
男性の低い声が聞こえる。
どこかで聞いた事のある声だったが、思い出せない。
「そうですけど・・。どちら様ですか?」
「初めまして・・じゃないんだけどね。1回逢ってるよね?恭子の家で・・」
“婚約者”
重い瞼が大きく開く。
「秋月 隆史です」
丁寧に自己紹介をしてきた。
だけど、僕は動揺を隠せない。
前、電話ではあんなに偉そうな事を口走ったというのに・・・。
“先生を奪ってやる”
“先生は渡さない”
「恭子に電話したのに、君が出た時は正直驚いたよ」
不気味な笑いを混ぜた口調で話す秋月隆史。