僕は先生を愛してます
「何なんですか?」


僕は写真と封筒を秋月に突き返した。


「よく撮れてるでしょ?プロが撮った写真だからね。」



・・何が言いたいんだ。



「まさかとは思ったんだがね・・。本当だったとは」


「何がおっしゃりたいんですか?」



秋月は写真を机に置き、今までにない鋭い目つきで僕を睨んだ。



「君には恭子を諦めてもらいたい」


「あははっ」


僕は笑いがこみ上げてきた。



「なにがおかしい」


「そんな事をわざわざ言いにきたのか・・と思いまして」



見下した笑いと目。



「笑いたいならば笑えばいい。だけど僕をばかにしたら君のところの家族は全滅するよ」


またもや意味のわからない発言。



「僕は恭子を誰にも渡す気はない。もし君がそれでも恭子を奪うというならば、今握っている幸村総合病院を潰して全てを壊してやる。僕の父は、県の病院の中じゃぁ有名だから、お前の病院ぐらいは軽く消せるよ。嘘と思うなら帰って君の親父に聞くんだな」




勝ち誇った笑いを僕に返す。



「そして今任材、恭子の前に現れるな。わかったか?」



「わかりませんね。突然現れて、意味が分からない事を言われて・・はい、わかりました。なんていうバカはいないでしょう?」



注文したコーヒーを片手に、ゆっくりと体の中へと流し込む。



「まぁ、いい。今日の夜、嫌でも理解出来るはずだよ。幸村君」



秋月は笑いながら席を立つと店から出て行った。
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