僕は先生を愛してます
・・そんなに
有名な人なのか。
「秋月さんは、私の病院を何億.何兆と融資してくれている人だ。我が家が成り立っているのも秋月さんのおかげだった言っても過言ではない。そんな方の婚約者をお前は・・」
―凄い人だったんだ・・。
「ママこれから、どんな顔をして秋月さんに逢えばいいのかしら・・」
母は頭を抱える。
「だがな、秋月さんがお前が婚約者の方を諦めて、これから教師と生徒に戻るなら許すと言っている。本当は転校を進められたんだがな、それだけは止めて欲しいと頼んだんだ。聖夜、お前はどう考えてる?」
「・・俺は・・」
二人は笑わない。
事の重大さがどれだけ大きい事なのかがわかる。
そして、やっと理解出来た。
秋月 隆史の言っていた意味が―・・。
「俺は・・先生が好きだ」
「お前というやつは・・」
バシッ―。
父の右手が頬を直撃した。
生まれて初めて父に手を挙げられた。
「お前がその感情を捨てない限りは、私たちの家は・・病院は潰れてしまうんだぞ!!お前のその身勝手な行動だけで、我が家は路頭に迷う事になる。それでも平気なのか!!」
父は立ち上がり怒鳴る。
母は泣きながら父を止めた。
「頼む。聖夜。親父から受け継いだあの病院を壊さないでくれっ・・。」
父は涙ながらに頭を下げた。
僕は、あまりにも突然な出来事に言葉が見つからなかった。