僕は先生を愛してます
沈黙が何時間も続いた。
僕は頭の中を整理しながら考えた。
父があそこまで言うのだから、秋月という人はかなりのやり手だということなのだろう。
「父さん・・その写真は、誰が撮ったんですか?」
「これか・・。秋月さんが弁護士に頼んで撮ったものらしいよ。お前との関係を怪しんで、その日から弁護士が聖夜の跡をつけてたみたいだ」
・・卑怯なやり方だ。
だけど、いつ怪しいと思ったのだろうか・・。
「相手の女性の家に泊まった事あるだろ?」
僕が酔っていたときのことだ。
「そのときに秋月さんが現れただろ?あのときに聖夜がその婚約者に好意を持っていると感じたらしい。その婚約者とは肉体関係はあったのか?」
「あるわけありません」
きっぱりと言い切った。
「本当に付き合っていないんです」
「じゃぁ、なんであんな写真を撮られたんだ?もし、こんな写真がマスコミにでも出回ったら・・私たちは全滅する・・。教師と教え子が・・なんて・・」
僕の胸は痛んだ。
「俺が一方的に好きになったんです。先生は悪くない。」
「本当にそうなら・・今すぐに忘れなさい」
今度は母が顔をあげ言う。
「母さんの言うとおりだ」
父は腕を組み納得した表情で頷く。