僕は先生を愛してます
「・・」
「お前は、家族を捨てる事になるんだぞ?構わないのか?」
父と母の真剣な瞳。
「そんなことで、親父が作り上げてきた病院を潰さないでくれ。お前がその女性の事を忘れさえすれば、なにもかもがうまくいく。」
“そんなこと・・”
僕にとっては、かけがえのない女性なのに―・・。
「そうよ、聖夜ちゃん」
「これから秋月さんからの援助がなくなれば・・潰れるのは時間の問題になる。聖夜ならわかるだろ?」
―わかんないよ・・。
お金が絡むと怖い。
「なにか言いなさい」
「俺に家族と女、どちらが大事か選べという事ですか?」
「そういうことだ」
・・そんな選択―・・。
初めて心から愛した人。
初めて愛を感じた人。
初めて恋に溺れた人。
18年間、育ててくれた家族。
僕にとって、どちらかを選ぶなんて出来ない。
だけど―・・。