僕は先生を愛してます
今、僕の前にいる二人を見捨てるわけにはいかない。
先生を愛してる。
でも、僕の身勝手な想いだけで両親の築き上げてきたものを壊すことなんて―・・・
―僕には出来ない。
好きだけど・・
愛してるけど・・
それだけでは、どうにもならない。
僕は危険な愛に溺れ、叶うはずのない恋をした。
なにかの魔術にかかり、今その魔術が覚めたと思えばいい。
そう思えば・・
きっと忘れられる。
「わかりました」
悩んだ結果の言葉。
「わかっていたよ。聖夜は女の為に家族を見捨てるなんてことはしないと。これからは教師と生徒。そうやっていけるんだな?ちゃんと約束出来るんだな?」
「はい」
「もう聖夜ちゃん。ママ心配したじゃない」
「すみません・・」
「じゃぁ、これにサインしろ」
父は一枚の紙をテーブルに置いた。