僕は先生を愛してます
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頭の中が真っ白だ。
ベッドに仰向けになり、天井を見つめる。
━夢・・なのか。
静まり返った部屋は、もはや現実か夢なのかさえもわからなくしてしまう。
~♪~♪~♪~
体が携帯の着信に反応する。
新着メール1件。
「・・先生・・」
高鳴る鼓動は簡単には終わらない。
まだ体が覚えている。
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:松下先生
題名:こんばんわ
本文:
遅くにごめんね。
どうしても、お礼が言いたくてメールしました。昨日は助けてくれて、ありがとう。
あなたのおかげです。
また学校で逢いましょう。では、おやすみなさい。
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「なんでっ・・」
僕は携帯の画面な頬を寄せる。
こんなに好きなのに。
どうして━・・・
一回は返信を押したが、またクリアを押し画面を変えた。
約束を破るわけにはいかない。
両親を哀しませる事は出来ない。
先生の登録されたアドレス帳を開く。
【削除】
はい・いいえ
僕は、“はい”にする。
だけど、指が動かない。
結局は消せない。
そんな簡単に気持ちを変える事など出来ない。
でも僕は、始めることも終える事も出来ない。
“お金”
に奪われた僕の心。
もう叶わない。