僕は先生を愛してます
僕は真っ直ぐ帰宅する気分でもなくフラフラと街を歩き、最終的には桜ヶ丘公園に居た。
闇の中で僕は一人ベンチに腰を下ろす。
涙は枯れる事を知らずに止まらない。
言葉も耳も目も全てなくなればいい。
感情なんて・・いらない。
~♪~♪~♪~
携帯が鳴った。
静寂した公園に響く音はいつもの倍になって聞こえる。
新着メールを開いて見る。
「えっ・・・」
僕は目を疑った。
いや、疑うしかできなかった。
そして周りを見渡す。
送信者は先生で、内容は【今、あなたの近くにいるわ】という不思議で理解しがたい文章だった。
だけど人が居る気配はない。
きっと、宛先を間違えたのだろう。と思い僕はまた携帯に目を落とした。
「・・っきむら君っ・・・」
微かにだが聞こえた。
“先生の声”が―・・。
もう一度、視界を広げる。
「せんせ・・・」
先生が息を切らしながら立っていた。