僕は先生を愛してます


そして、素早く料理をし始めた。


僕はそんな先生の後ろ姿を、ずっと眺めていた。



こんな幸せがずっと・・ずっと続くと思っていた。



・・願っていた。





「はい」


お味噌汁と目玉焼きと横にはサラダを添えて運んできた。


「ごめんね。こんなものしか出来なくて」


「ううん。俺、嬉しい」



僕は先生の作った料理を見つめた。


「こんな朝ご飯が食べたかったんだ」


お箸を手に取り口に運ぶ。


「うまいっ!」


「あなた朝ご飯食べた事ないの?」


先生は僕の言葉に疑問を感じ問いかけてきた。



「あるけど、俺んち家政婦が全部するからさ・・」


「家政婦?」


また目を丸くして僕を見た。


「俺んち家政婦が居るんだ。だから、こんな感じの朝ご飯は作ってくれない。まぁ、家政婦さんが作ってくれる料理も好きだけどね」


止まる事のないお箸。


「あなたの家って凄いのね・・」


先生もお箸を持ちご飯を口に運ぶ。


「先生、俺んち知らないの?」
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