僕は先生を愛してます


学校に到着すると案の定、翔太が駆けてきた。


「聖夜、ちょっとこい」




翔太に屋上まで連れていかれた。



「なぁ!お前まじ何かあったんじゃねぇの?昨日の電話ハンパなかったよ?」


翔太は笑うこともなく、焦りだけを浮かばせて話した。



「・・」



「聖夜?!」



「ごめん。昨日は悪かったな。嘘つかせて」


僕はまず謝った。



「そんなことはいいんだよ。なぁ、聖夜?俺じゃぁお前の役には立たないのか?」




真剣な顔。




僕は今までの事、すべてを話した。



翔太なら・・



そう思った。




「まじで・・」




お金の事・・
病院の事・・
婚約者の事・・

そして・・

先生の事・・。



何もかもに驚きを隠せない様子だ。



「ちょっと待って・・。整理させて」



翔太は黙り込み考え出した。



僕はその間、言葉を発することもなくただ空を眺めていた。




~♪~♪~♪~


また携帯が鳴る。



「父さんからだ・・」




心が縮まるのがわかる。




「出ないのか?」




迷った末、僕は電話に出た。




「もしも・・」


「聖夜!どこにいる?!」



僕の言葉の語尾は消え、父の声が耳に響く。



「翔太と居ましたよ。今は学校です。無断で外泊をしてすみませんでした」



不思議だ。


嘘などつけないと、そう思っていたのにいざ話すと平然と偽の言葉を並べられた。



「何回電話をしたと思ってる?!」


「すみません。翔太と勉強をしてたら着信に気づかなかったんです」



翔太は不安そうな顔で僕を見ている。
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