僕は先生を愛してます
一瞬、頭が真っ白になりその場に倒れた。
なにもない。
ただ頭の中は空っぽ。
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「んっ・・」
「・・っじょうぶ?」
・・えっ―?
「大丈夫?」
先生の顔が瞳の真ん中に映る。
「俺・・」
まだ理解出来ない。
―ここはどこだ?
「保健室よ」
聞く前に先生が答えてくれた。
「あなた、屋上で倒れたのよ?大丈夫なの?」
先生は心配そうな表情で僕を見つめる。
「なんで・・先生が?保健の先生は・・?」
「今日は出張でいないの。川崎君が職員室まで運んできてくれたんだけど、山下先生(保健室の先生)がいないから空いてた私が代わりに、保健室を開けたのよ」
「そうだったんだ」
僕はベッドから身を起こす。
「ちょっと、まだ寝てなさいよ。ほらっ」
先生は僕の体をベッドに戻す。
「大丈夫だよ。もう平気だし」
笑う僕、それに対して先生は笑わない。
「どうしたの?」
「心配したんだから」
先生の瞳にうっすらと涙が浮かぶ。