僕は先生を愛してます
ガラガラっ―‥
「先生っ」
数学教室に身を忍ばせる。
「・・」
黙り込み背を見せ窓の前に立っている先生。
僕は先生の背後に近づいた。
「先生・・」
「やっぱり似合ってるね」
先生は振り返ると笑いながら僕に言った。
「えっ?!」
「あなたと橘さん。私みたいなおばさんなんかよりも・・橘さんの方が―‥」
ドンっ――‥
僕は手を壁に押さえる。
「それ・・本気で言ってる?」
怒りと悲しさが混じり合う。
先生は僕を見ない。
「言い訳なんかするつもりないけど、七海とはもう終わってる。ううん、あいつとはなんも始まってなんかない。あなたを抱いた後に・・なんで・・なんで他の女の唇を求める?あなた以外欲しくないのに・・」
「幸村君・・」
両手を壁に押さえつけ、先生をその両手の中に入れる。
「俺・・なにもかも捨ててもいいよ?先生のためなら・・命だって・・」
「・・」
「今この場でキスをしてグラウンドにいる生徒達に俺らの関係をさらけ出しても構わない。」
窓ガラスの向こうに映るのは体育をしている生徒たち。