僕は先生を愛してます
・・ あなたと2人
午後7時。
僕は帰宅した。
玄関に入ると母が待ちかまえていた。
「もう聖夜ちゃん!!ママ心配したんだからね」
「すみません・・」
小さな声で謝る僕。
「聖夜、ちょっとこい」
父が僕を呼ぶ。
向かい合わせになりソファーに腰を下ろす。
「秋月さんの結婚式の日が正式に決まったそうだ。お前に知らせて欲しいと今日、頼まれたんだ」
―‥うそだ・・。
「なんだ?その浮かない顔は?」
「聖夜ちゃん?」
「すみません。お父さん・・お母さん・・」
僕は重たい口を開き頭を下げた。
「うそはつけません。父さんにも・・母さんにも・・そして、俺の気持ちにも・・」
僕は両親の瞳を真剣に見つめた。
その言葉を二人は瞬きをすることもなく見ている。
「俺は先生のことを愛してます。約束したけど・・、俺は・・守れません。」
そう言い切った。