僕は先生を愛してます
その言葉に校長をはじめ、他の教師達もざわめきだす。
「俺の事を恥ずかしいというのなら、あなたはもっと恥ずかしい人間ですよ」
僕は父を睨みながら言葉を突き返した。
「お前は・・」
父は言葉を止めた。
「聖夜ちゃん、今日は家に帰りましょう?ねっ?」
「行くぞ」
父は僕を引っ張った。
だけど、僕はその手を振り払った。
「聖夜っ」
僕は校長室を飛び出した。
「待てっ!」
父は僕を追いかけた。
ガラガラっ―
数学教室に迎い先生の腕をとる。
「なに?」
驚いた顔で僕を見ている。
「今は話せない。先生、俺と行こう?」
そのまま僕は先生の腕を掴み教室から走り出た。
背後には父と教師たちが追いかけてきている。
僕らは駆けた。
先生は何も言わず僕の手を握りしめたまま・・離さない。
「聖夜ー・・・・」
父の声は遠くなる。
僕は校門を飛び出した。
迎う宛もなく、ただ見える道を走りつづけた。
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