僕は先生を愛してます
全てを敵にまわしても
日が沈むのに長い時間はかからなかった。
いつの間にか、外は闇となり街を支配していた。
「時間なんてなくなればいいのに・・」
僕は呟いた。
「先生、こっちにきて」
少し離れた場所に座る先生を呼ぶ。
ベッドに寄りかかり座る僕の隣に先生が腰を下ろす。
「なにも考えずに先生とずっとこうして居たい」
先生の腰に手をまわし、ゆっくり抱きしめる。
叶わないと知りながら、僕は願う。
「ねぇ、幸村君・・」
「なに?」
物音一つしない部屋に、2人だけの声が交互に混ざり合う。
「本当に大丈夫なの?ご両親は・・」
「大丈夫だよ。先生はなにも心配しないで」
「でも・・」
「俺の事は俺が決めるから」
「・・医者になるのが夢だったんじゃないの?」
―確かに・・。
「夢だったのかな・・」
僕は笑った。
「違うの?」
少し不思議そうに僕を見上げた。