僕は先生を愛してます

僕は、その場から立ち上がる。


二人組の女たちは嶮しい顔付きで、先生を見ていた。


「あら・・?知り合い?」



先生は涼しそうな顔をし、そう尋ねた。

両手、両腕には大きな荷物を抱えて・・。



「俺が持つよ」



僕は先生の腕や手に絡む荷物を持ちあげた。


「お姉さん?」


一人の女が笑顔で尋ねた。


確かに・・。


僕と先生なら兄弟に思われても仕方がない・・。



「残念。俺の女」


ニカッと笑う僕に対して女たちは笑わない。


“はっ?”

と、いうような顔をしている。



「冗談きついよー」


急に大笑いをする女たち。



「じゃあね」



僕は全ての荷物を抱え、彼女たちに背を向けた。



「まじで?年上?」

「ありえなぁーい」

「でも・・やばいぐらい、いい男じゃん!!彼女、愛されてるって感じ~」

「あんな彼氏欲しいー」



最近の若い人達の声は大きい。



周辺に響く甘い言葉。



まだまだ僕もいける。


なんて、ニヤついた。








******************



「何笑ってるの?気持ち悪い」



アパートに帰ると先生からの鋭い言葉が僕を刺す。
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