僕は先生を愛してます
僕は、その場から立ち上がる。
二人組の女たちは嶮しい顔付きで、先生を見ていた。
「あら・・?知り合い?」
先生は涼しそうな顔をし、そう尋ねた。
両手、両腕には大きな荷物を抱えて・・。
「俺が持つよ」
僕は先生の腕や手に絡む荷物を持ちあげた。
「お姉さん?」
一人の女が笑顔で尋ねた。
確かに・・。
僕と先生なら兄弟に思われても仕方がない・・。
「残念。俺の女」
ニカッと笑う僕に対して女たちは笑わない。
“はっ?”
と、いうような顔をしている。
「冗談きついよー」
急に大笑いをする女たち。
「じゃあね」
僕は全ての荷物を抱え、彼女たちに背を向けた。
「まじで?年上?」
「ありえなぁーい」
「でも・・やばいぐらい、いい男じゃん!!彼女、愛されてるって感じ~」
「あんな彼氏欲しいー」
最近の若い人達の声は大きい。
周辺に響く甘い言葉。
まだまだ僕もいける。
なんて、ニヤついた。
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「何笑ってるの?気持ち悪い」
アパートに帰ると先生からの鋭い言葉が僕を刺す。