僕は先生を愛してます
僕は職員室の隅にある個室に呼ばれた。


机を挟んで向き合わせになり担当と座る。


「なに?」



「幸村、進路はどうするんだ?」


「まだ考えてないけど・・多分、医大に進むと思う」


「医大かぁ。まぁ、幸村は成績優秀だし大丈夫だろう」


・・医大。


・・僕の意志じゃない。


・・父親が医者だから。


・・小さい時から
 医者になる事だけを  夢とさせられた。



「じゃぁ、第一志望は医大でいいのか?」


「いいっすよ」



軽い返事。



「それだけ?」


「あぁ。次は川崎呼んできてくれないか?」


「はぁい」







僕は教室に戻り、翔太を呼んだ。










**************




・・逢いたいな、先生。




さっき逢ったばかりなのに、先生の事ばかり考えている。












こんなに授業や時間が経つのが長く感じたのは、生まれて初めてだった。
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