僕は先生を愛してます
僕は少し離れた場所に座る。
「毎日、熱心ね」
「そうかな・・」
「今日は、どんな問題?」
先生は少し腰を上げ、僕の前に近寄った。
問題集を開き指差す。
・・本当は全部解ける。
ただ、逢いたいから嘘をついて先生に逢う口実を作っている。
「また難しい問題ねぇ。ちょっと貸して?」
風で先生の髪が揺らぐ。
整った顔つきではないが、上品さがあって大人の魅力を漂わせている。
・・先生、
ボクだけを見て・・?
「先生?」
「なに?」
問題を解くのに必死になる先生。
「今日、なんかあるの?」
「どうして?」
「んー?用事があるって言ってたから」
「ちょっと・・ね」
・・意味深な言葉。
「彼氏とデート?」
聞いてはいけない言葉。
本当だったら僕は死ぬ。
だけど、心のどこかでは知りたい自分もいる。