僕は先生を愛してます
・・なんか、苛立つ。

僕は立ち上がり佐々木を見下ろした。

「翔太を留年させたら、俺も留年するからな」

“は?”と言った顔をしている。

そして、佐々木の横を通り過ぎて行く。

「聖夜!」

駆け寄る翔太の足音。

「お前ら、ちゃんと教室に戻るんだぞ!!」

佐々木の声は翔太の閉めたドアの音と同時に虚しく消えさった。



「ありがと」

静まり返った廊下で翔太の声が小さく響く。

「別に?なんか腹立つじゃん?お前だけ、あんな事ゆわれたらさ?」

「まぁしかたないよ。俺はお前と違ってバカだからさ。それに金もねぇし」

「確かに」

「うわっ、ひでぇ」

・・こいつが言うように、
 僕の両親は金持ちだ。

・・行事があるたびに
 高額な金額を学校に
 寄付する。

・・だから僕は
・・特別扱い。


「途中からの授業って、まじでだるいよなぁ」

そう言いながら教室の前に立つ。

ドアを開け翔太が先に入って行った。


そして、翔太に続いて僕も入る。

 
 
ドンっ―・・
 
「痛っ・・。おい、翔太!何やってんだよ!」

行く手を防いでいるため前が見えない。

「翔太って・・ば・・」
 
 
 
「遅刻よ!!」
< 5 / 227 >

この作品をシェア

pagetop